潰瘍性大腸炎
概念:主に大腸の粘膜と粘膜下層に、びらん(粘膜の表皮が剥がれ落ちてしまうこと)や潰瘍が生じる病態。
原因:腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられているが、明確な原因は未解明。
症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少、下血(げけつ)、全身倦怠感、貧血など。
治療と注意点:内科治療(薬物療法など)が主体。内科治療で治らない、大量出血が生じた、大腸がんを合併された、中毒性巨大結腸症となったなどのときは、外科治療が必要となる。
潰瘍性大腸炎を詳しく:10歳代~30歳代に好発するが、その他の年齢や性別でもみられる。おしりからすぐそばの直腸から連続してS状結腸、下降結腸、横行結腸、上行結腸に広がる傾向にあり、その病変の範囲で病型が異なる。ときに上記の場合は外科的手術(大腸全的術)を要し、人工肛門となることもある(軽快後に人工肛門閉鎖もありうる)。腸管以外の合併症(関節炎、目や皮膚の病気など)も引き起こすことがある。さらに発病後、7~8年すると大腸癌を合併するリスクが高くなってくるため、症状がなくても定期的な内視鏡検査が必要である。治療として薬物療法は従来からある5-アミノサリチル酸、副腎皮質ステロイド、免疫調節薬の他に、近年様々な薬剤が開発されており、最も進歩が目覚ましい分野のひとつある。症状の改善や消失(寛解)が認められたとしても、再発する場合も多いため、寛解を維持するために継続的な内科治療を要する。
